依存症回復施設はこんなところ

体験談

こんにちわ、ぱらきぃとです。

早速ですが、私は22歳のとき麻薬取締官に麻薬輸入・売買容疑で捕まり拘置所に入りました。
余罪がすごく多かったので何度も再逮捕され、勾留期間は8ヶ月にものぼりました。
自身でも大麻などを使用してヨレヨレでしたので、体重が38kgにまで落ちガリガリだったのですが、拘置所はお金さえあればお菓子などは食べ放題なので、そこで過食に入り30kg太り68kgになってしまいました。
あのときの裁判を待つ苦しさや不安を思うと二度と薬物には手を出したくないと思う毎日です。

さて、裁判では執行猶予判決となったのですが、その代わりに依存症回復施設(以下、施設)に入所することになりました。
遠く離れた地域だったので不安もありますが、その時の自分に選択の余地はなく…

施設の職員がインタベというのですが、依存症当事者のと間に介入(インタベ)し施設に行くように説得し施設まで付き添って連れて行きます。
職員のほとんどは依存症当事者であり、私をインタベしてくれた人もそうでした。

辿り着くとそこは依存症者の巣窟だった

そして施設に着くと、そこは依存症(アディクトといいます)の人が40人近く集まった摩訶不思議な空間でした。
私の施設は二階建ての割と新しめの建物で大きさは割と広くコンビニ2件ほどの広さですが、40人もの依存症の人が元気に過ごしているので人口密度は高めです。
入った当時はアルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存がいまして、数で言うとギャンブルが一番多かったかなと思います。

また日中に集まって回復プログラムをやるデイケアと夜寝泊まりするナイトハウスが分かれており、ナイトハウスは4つほどあり、それぞれ分かれて寝泊まりするといった流れになります。

私の中のイメージでは、シェアハウスのように一緒に住むこと以外は割と自由にできると思っていたのですが、実際には色々ルールがありプログラムに参加することが義務となっていたりと全寮制の学校に近い雰囲気でした。
学校と異なるのは全員が何かしらの依存症を抱えているということ…
元ヤクザで背中一面に和彫が入った薬中から会社の金を横領して捕まったギャンブラーまで様々な依存症の人が住んでいる人種の坩堝のような場所です。

施設に入った当初は処方薬の離脱でヨレており、社会経験もほぼなかったため目上の人にタメ口で話してしまうというバカをやってしまい、元ヤクザの人にブチギレられた思い出があります。
初めて来た人が怖い人を怒らせるのが依存症施設の洗礼でもあるのですが、そういった出来事からお互いのことを知って仲良くなるきっかけにもなったりします。

一日1500円の小遣いだが、慣れると楽しい

私の入った施設でもらえる1日の生活費は1500円で、基本は日払いとなります。 まとまったお金が入ることで薬物やギャンブルに使ってしまうことを防ぐためです。
その中から500円貯金をしたり、お金を貯めて好きな服やお菓子などの生活費に充てます。
刑務所上がりや殆ど無理やり連れてこられた人は服も貯金もないので、献品といって施設にいた人がいらなくなった服をもらってしのぎます。

先ほども書いたように施設生活ではプログラムの時間や就寝時間がある程度決まっています。
日中は施設で12ステッププログラムの座学や実践をしたり、日曜大工的なプログラムや近くのショッピングモールにみんなで出かけて遊んだりするプログラムもあります。

なんかこれだけ聞くとすごく惨めな印象を抱くと思いますが、基本的に施設は楽しいです笑

確かに仕事もせず一日1500円で暮らしているというと少し悲しい感じがしますが、入寮者30人がみな同じ待遇で、皆が依存症からの回復に向けて一丸になって取り組む意思を持っているので惨めな思いはしません。
それどころか、依存症で苦しんできた過去などは皆が共通して持つものなので、そういった仲間に囲まれて今まで人には言えなかった心の内をありのままにさらけだすことができるようになってきます。
依存症は孤独の病と言われるように、同じ問題を抱える仲間と一緒に過ごすことが孤独から解放される一番の近道なんだなと僕は実感しました。

つい社会に出ると、お金を稼いだり仕事で成功してチヤホヤされることが孤独を癒す方法だと勘違いしてしまうことがありますが、そういった方法で満たされることはないんですよね。
「気の合う仲間と700円しか持たずに行くショッピングモールは最高に楽しかった」
たまに立ち止まって施設生活のことを思い起こすとそのことに気づきます。


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